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2021/09/13 17:38

かなり久しぶりのブログ更新になります!

今年はクオリティを保ったまま、製造を簡略化させて来年からルアー開発や動画に割く時間を増やす!という今年のテーマも、扱う素材の知識がまだ発展途上なのもあり、中々思うようには進みまないのですが、何とか年内には解決しそうです。笑

今回は10月中には発売できるかなっていう、【キョロキョログランデ】のお話です。

ここ一年間、テストし続けてしっかり作り込めた自負はあります。もはや『よく釣れる』というのは必然であって、どこまでいっても作品作りには『他と違うコンセプト』が重要であるのは言うまでもありません。

マーケティングから開発に着手する商品ではなく、あくまで『自己偏愛』の塊を世に出すわけなので、良い意味で人を裏切るのは義務かなぁなんて勝手に思ってます。笑

さて、前回のキョロキョロ140Fと一体何が違うのか…といったお話ですが、単に『大きさ』もありますが、『ポッパー的要素』が加わったという事実です。

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この説明だと何のインパクトもないので補足しますと、発明に至るプロセスは大体3パターンほどあります。

一つ目は『必要は発明の母』というように、日常生活の問題点を発見しその解決策から発想する方法。

二つ目は『水平思考』つまり逆転の発想。

三つ目は既存のものを数種類組み合わせる事で新しい価値を生み出す『組み合わせ法』

と大体こんな感じだととある本で勉強した事があります。笑

ことルアーに関しては『組み合わせ法』が多いと思います。しかし、マテリアルの比重問題などがあり中々思うように事が運ばないのが現実です。キョロキョロのウリは何といっても【浮力によるアクション】です。

ただ、通常のミノーに組み合わせるモノって意外と無くて、フローティング・サスペンド・シンキングくらいの変化と、シャッド的(クランクベイト)なアクションでしょうか。

しかし、偶然にもキョロキョロの形状でポッパー的なアクションを入れると、ベイトフィッシュがフィッシュイーターにビックリして逃げる、ひとはたきめの水面音にそっくりだったのです。この音を出す事で強制的に魚にスイッチを入れアクションで喰わせに持っていく構図が脳裏に浮かんだわけです。

そこでこのルアーの可能性を感じ、様々なタイプのプロトタイプを製作する事になるのですが、音を意識するあまり、スイムアクションが悪くなったりと一時はポッパー要素は外したりして開発を進めていました。それほどトップアクションでも釣れる、ミノーアクションでも釣れるといった相反するアクションのフュージョンは難しかったのです。

(スイムアクション優先時のグランデ)

しかし、いくらスイムアクションを良くして完成させても『感動』が全く無く、ワクワクもドキドキもしませんでした。きっと臭いモノに蓋をする感じで、理想から逃げた事が原因だと気付きました。これはリッジラインのコンセプトから外れる事を意味するタブーを自ら起こしかけていた事に他なりません。

そこで再度初心に立ち戻り、再度バランスを探す無限の模索に突入するわけです。笑

そして無茶苦茶なサンプル数の中から、操作性に優れていてスイムアクションの良い子が一つ生まれました。

ダイビングからの絶妙なベイトの逃走音、頭からゆっくり浮上するスローライズアクションに加えて突然のスライド急浮上するワンパターン化しない浮上アクションが出来るようになりました。

140F譲りの揺らぎアクションや流れの強さも健在で、投げるロッドは選びますが、平均60m(最高80m)という200mmミノーにしては爆発的な飛距離も追加されました。

即ち、今までのビッグベイトが探れなかった『竿抜けポイント』に食わせのアクションで狙えるようになったワケです。

ただ、扱いに練習は必要になると思いますが、使いこなせてもらえればきっと夢の魚を手にする事ができる確率は確実に上がると思っています。

多少オーバーな表現ではありますが、自分が世界記録を捕る為に開発したものだから、そこは正直にやりきった感と自信の程は大目にみてやってくれると嬉しいです。笑

なるべく多くの方に夢を掴んでもらいたい。

そのために量産も頑張ります。

発売までもうしばらくお待ちくださいませ。


Ridgeline 永井 晋