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2020/08/22 22:47

今回は開発中の『キョロキョロGrande』についてのお話です。

140Fが出て数年。更なる高みを目指してビッグベイトサイズに着手しております。サイズは200mm、重さはフック込みで150g程のルアーになります。ロッドを選びますが、ちゃんとしたものを選ぶとその飛距離たるや…70mは飛びます。(もっと飛ばせる人は居ると思います。笑)


【キョロキョロGrande タックル】

ROD  / TULALA El Horizonte 83

REEL / AbuGarcia REVO BEAST 41HS-L 

LINE / PE4号

Shock Leader / NYLON 100lb

このエルホリゾンデ83は300gまで投げられるらしいのですが、200g前後が一番マッチするようです。
キョロキョロGrande(以下グラキョロ)も楽々フルキャストできるし、100lbのリーダーでもガイド抜けがよく、なんせバットパワーがかなり強烈です。グラキョロでも大きく曲がり込みはしないものの、しっかりとパワー乗せてキャストできるのでかなり気に入っております^^
といってもフルキャストし続けるのは身体への負担も大きいので、キャストの際はペンデュラムでバットにパワーを乗せた後、その反発力に任せて60%程の力でキープキャストしてる感じです。これなら体力に自信がなくても身体は持ちます・・・多分。笑

【開発コンセプト】
想い描いたアクションを出すために前作の140Fより浮き角度を深く、30°くらいに設定。トップとしても使える様にしました。140Fでもゆっくりストロークジャークをすると同じ扱いもできますが、グラキョロは更に角度調整とウエイトを調整する事でダイビングしてから水面に浮き上がるまでのゆったりとしたスローライズアクションを出せる様にセッティング。そもそもこのゆっくり浮上するアクションというのは、フィッシュイーターにはとても効果的だという経験から踏襲。この大きさでミノーとしての絶対的な自信の上に、トップとしても扱える要素も加え、1つのアイで高次元の2WAYアクションを出せる代物を目指しました。


というのも、既製品で2つ3つアイが付いた2〜3WAY的なルアーもありますが、自分はワガママなので一連の流れで2WAYアクションが欲しかったのです。比較的トップとミノーは融合させやすいジャンルだと感じていたのもあり、挑戦してみたかった…という経緯です。

【実釣テストへ】
⚫︎7月下旬
さて、梅雨時期に1stプロトタイプが完成して直ぐにアカメのテストに向かいました。
初回のテストは大雨直後の大増水でした。トップアクションでのテストとは全く関係なく、水門での足元テンションキープアクションでいきなりメーターオーバーを越すアカメを掛ける事に成功しましたが、掛かりが甘く無念のフックアウト。
次の日も色々と挑みますが成果は得られず。

⚫︎8月上旬
2度目のテスト釣行は梅雨明けに決行。普段はしない小場所を転々と打って行きましました。
ベイトサイズに関係はないのでしょうが、各場所とも完全にマッチしてない感じを受けつつ2日間何もなく終了。

⚫︎8月中旬
3度目の正直。一番通い慣れた河川に釣行。
今回はたった一日半しか居られない。到着したのは深夜。とりあえず明暗の出るポイントにてトライ。アカメの存在を確認できたのですが、ベイトとなるエサが小さい。テンポよくアクションさせて誘いますが食わせる事ができずに朝マズメまで通して初日を終えてしまう。
残り一日。もう可能性の高いチャンスは夕マズメと次の日の朝マズメしかない。昼までには愛媛に帰投しなければならない。マズメを意識した釣りと場所に変更する事に。そこはベイトサイズも大小様々な事を確認。詳しいタイミングは記載できませんが、一番可能性の高い朝と夕方の一瞬の時合に全てをかける事にしました。足元のブレイクラインに居る事も多いので、水辺には立ち込まず、距離を取りつつ手前5m圏内をグラキョロの強弱を付けたダイビングアクションにスローライズを混ぜながらピンスポットをネチネチと探ると…

短時間で2度バイトを誘発
惜しくもフックアップせずにマズメが終了する。

やってしまった。。。しかしこのサイズでの誘い出しの有効性を得られたのは大きい収穫でした

残りは朝マズメ。それまでに何か出来る事はないのだろうか。そこで昨夜の明暗ポイントで前日とは違ったスローテンポで誘い出しをしてみようと入水。それが功を奏しました。

夜明けも近いため、前集中モードに入る。
やはり水が動き出すとベイトもザワザワと動き雰囲気が出る。数投手前を探った後、タイミングを見計らい対岸へ向けてフルキャスト。明暗手前1.5m辺りに良いキャストが決まる。ゆっくり明暗に流れていく。その明暗手前でスローにダイビングアクションを一発。スローライズアクションで浮上して直ぐに水面が大爆発。
サイズは84cm程でしたが、想い描いたトップアクションにてグラキョロ初アカメを捕獲する事ができました。
ベイトサイズは水面から見える10cm程の鮎がメインだったのですが、、、何とか喰ってくれたましたね^^まさにイメージした通りに出てくれました。
テンポというか、その時々の間も大事なんだと勉強になりました。

トップアクションでの可能性は前々から感じつつも、青物用のダイビングペンシル等の既製品は基本2フックシステムの物が多く、太軸フックにボディバランスを合わせている理由などで乗りが悪そうなイメージとあり、あまり使いたくありませんでした。なので、まだ刺さりの良い1/0フック・Twinフック2/0を3つ抱けるルアーにしました。
そして200mm・150gのグラキョロを吸い込む強烈なバキュームバイトは、開発中のモヤモヤとした迷いを見事に吹き飛ばしてくれました。
巨ボラを吸い込むくらいですからね。当然普通の事ではあります。これでもまだまだ小さい方です。

まだ一匹目ですが、1stフィッシュに相応しい美アカメに心から感謝したテスト釣行でした。
釣れた=完成ではなく、『反応があった』ここからがテストへのスタート地点です。
水中でのリアクションバイトはジョイント系ルアーには到底敵わないので、水面での可能性を見出すために、これから幾度ものパターン検証を乗り越えて最適なバランスを探していく事になります。

開発は現場での『リアル』これが全てです。

Ridgelineしかしない事。できない事。これからもブレずに愚直に開発に取り組んで行きます。

今後の展開もご期待してもらえると、、、

頑張れます^^

これからもどうぞよろしくお願いします。

Ridgeline 永井 晋